ファイルサーバと比較したクラウドストレージBoxの利点
本記事ではファイルサーバと比較したクラウドストレージBoxの利点について記載します。
クラウドストレージであるBoxをファイルサーバから移行して利用していてるので、実際に利用してメリットとして感じている内容を記載しました。
Boxとは
Boxは、使いやすさとセキュリティを兼ね備えた単一のプラットフォームで、ファイルの作成から共有、共同編集、電子サイン、分類、保存まで、コンテンツのライフサイクル全体をサポートします。 Boxは、フォーチュン500の67%の企業に利用されています。 コンテンツクラウドは、ユーザーを本来の業務に集中させます。
https://www.box.com/ja-jp/overview
Boxはクラウドストレージとして利便性とセキュリティを両立したサービスです。
特にセキュリティに力を入れており、その点で大企業が採用していて国内外多くの企業で利用されているサービスです。
クラウドサービスになるので、基盤の管理は不要でファイルサーバによくある容量をやりくりして削除したり基盤を増強したりという事が不要になります。
導入事例としても多くの日本企業に導入事例があります。
以下Box社の事例サイトを見ただけでも皆さんご存じの企業の名前があるかと思います。
従来のファイルサーバとは
ファイルサーバは社内ネットワークで大容量ファイルを共有するためのオンプレミスサーバのことを指します。
WindowsServerのNTFS(OS機能)を用いて社内のファイル共有を行います。
ファイルサーバではADと連携して細かいアクセス権を設定してファイル共有を行う事ができ、HDDを増強していけば更に大容量ファイルを共有することができます。
ただ近年様々なデータが増え、動画や画像等の大容量ファイルを取り扱う際にHDDを再現なく増強してコストがかさんでいくことや基盤自体の運用管理、基盤を管理するデータセンターとの契約、バックアップ等の設計等で様々な手間がかかります。
ファイルサーバと比較したクラウドストレージBoxの利点
利点① 社外とも容易に即時ファイル共有が可能
ファイルサーバでは社内ネットワークのみでファイル共有が可能なので社外との共有ができません。
社外への共有をする際はファイルサーバからダウンロードした上でメール添付、社外とのファイル共有サービス等で送付する必要があります。
BoxではBoxアカウントを持っている方であれば共有し、同じBoxの共有フォルダを見ながら社外の方とまるで社内のようにファイル共有が可能になります。
Boxアカウントは無償で作成できるアカウントでも共有可能なので、有償アカウントを購入していなくても簡単に共有が可能です。これにより様々なメリットがあります。
- 社外と共有する際に度々のメール添付をした場合の誤送信リスク、最新版の認識齟齬リスクがなくなる
- 大容量ファイルのやり取りが容易になります
- 無料アカウント作成とインターネットが利用できれば全世界の社外のユーザーとファイル共有が即時可能でビジネススピードが向上します
- 社外の方と社内と同じようにファイル共有がBox上で可能になります
またBoxでは共有リンクを利用するとファイル共有でプレビュー、ダウンロードだけであればBoxアカウントを持たない人にもURLを伝えるだけでファイル共有することも可能です。
利点② 容量無制限なので大容量ファイルを保存可能
Boxは容量無制限で利用が可能なため、従来のファイルサーバでは容量の関係上保存できなかった大容量の動画ファイル等をいくらでも保存可能です。
また容量が増えていってもコストは増えず、ユーザー数での費用が基本なのでビジネスが拡大する中でもランニングコストの計算がしやすいです。
利点③ 基盤の運用管理が不要で、基盤運用のコストがかからない
Boxはクラウドサービスなのでファイルサーバで存在するような以下運用はすべて不要になります。
- 基盤の容量監視、増強計画、増強作業の実施
- OSパッチあて、セキュリティ対策検討、実施
- バックアップ検討や災害対策やDRサーバ管理
利点④ Boxの強力な検索機能を活用できる
Boxには強力な検索機能があり、Boxにファイルを保存するだけでファイルの全文検索、タグ検索、メタデータ検索が可能です。
ファイルサーバでは容量が大きいと検索に数十分かかったり、ファイルのタイトルしか検索できないので適当なファイル名だとせっかく時間がかかって検索してもたどり着けないことが多々あります。
Boxでは全文検索が可能なため、ファイルの中身も含めて検索できるので探しているファイルにたどり着ける可能性が格段に上昇します。特段作業は不要でBoxに保存するだけでファイルの全文情報を検索できるようになります。
利点⑤ インターネットやスマホからアクセスが可能
Boxはクラウドサービスになのでインターネット上からアクセスが可能です。またスマホ用のモバイルアプリを利用してスマホからもアクセス可能です。
ファイルサーバで同じ環境を準備するにはVPNを活用したり、スマホからのアクセスする際はサードパーティツールを導入したりとかなり手間がかかりますが、Boxでは不要です。
またBoxのモバイルアプリはMDMと連携可能なBox for EMMというアプリがあるのでIntune等のMDMで管理アプリ化することでMDMが入っていないとアクセスできなくしたりセキュリティ向上が可能です。
利点⑥ セキュリティが強固な基盤が利用できる
Boxはクラウドサービスという事で、社内ファイルサーバの方がセキュリティ強固だと言う方もいらっしゃいます。ただ社内ファイルサーバは社内ネットワークの中にあるためセキュリティ対策をあまりしていないことが多く、ゼロトラストセキュリティが必要と呼ばれる昨今の世の中では課題があるかと思います。
Boxはセキュリティやコンプライアンス、データプライバシーにおいて様々な取り組みを行っており、グローバルでも認証を多く取得しています。この認証と同等の対策を個別に基盤に実施のはコストがかかります。サービス利用するだけで認証された基盤を利用できるのはメリットになります。
- ISO 27001、27017、27018認証
- FedRAMPModerate認証
- ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)登録済
詳細は以下ご覧ください。
更に有償にはなりますが、Box Shieldというファイルの秘密区分のラベルに基づいてセキュリティを強化したり、深層学習を活用したマルウェア検知を実施するサービスもあり、セキュリティがBoxの強みと言われる理由かと思います。
利点⑦ ファイル共有だけではないBox上の便利なサービスを利用できる
Boxがコンテンツクラウドと呼ばれる理由はコンテンツにかかわるサービスをBoxが提供しており、それを利用できる点にあります。
例えば「Box Relay」というワークフローサービスがあります。
こちらはBoxにファイルが保存されたら上司に承認を飛ばして承認してもらったら保存した人に通知されるといったものがあり、ノーコードでワークフローを作成することが可能です。
他にも以下のような様々なサービスがあります。
- 「Box Sign」
電子サインサービス[一部プランで利用可能です] - 「Box Capture」
BoxMobileアプリで紙を撮影するとスキャンした画像内のテキストを検索できる機能 - 「Box Notes」
リアルタイムで同時編集できるメモ機能。画像や表も作成できます。議事録を複数人で取ったり、その場でアジェンダ投影しながら議事進行するのに活用可能 - 「Box標準連携アプリ」
1500以上の連携アプリがあり、他サービスと簡単に連携できます。Slack上でBoxのファイルをプレビューしたりと色々な連携が標準で可能です。
まとめ
Boxはファイルサーバと比較してコンテンツクラウドと呼ばれるだけあって今までのファイルサーバの課題を解消したサービスになっているかと思います。
クラウドサービスとしてのメリットはもちろんのこと社外との共同作業、場所を問わない働き方、コンテンツにかかわるワークフローや電子サイン、様々なクラウドサービスとの連携による業務効率化といった働き方を一つのプラットフォームで提供するツールだと思います。
容量無制限というメリットだけではなく多くのメリットがあるので本記事が皆さんの参考になればと思います。
ファイルサーバーとBoxに関する記事は以下も記載しておりますので参考にしてください。